こんにちは、店主の息子です。
先週の投稿に続きますが、科学って何だろう?この問題意識の下、いろいろと本を読み進めているところです。内容はそれぞれ異なり、科学の意味や本質に迫っているもの、科学による効用に照射しているものなど、いろいろな書きっぷりがあります。例えば、自然科学においては、定量的・定性的にある程度現象を数値化できるという統計的手法による研究があります。そして、この方法を社会科学が真似ているところがあります。このことに関連して、私が特に関心を寄せているのは、(要素)還元主義の考え方です。例えば、物理学者の 故 米沢富美子先生は、ノーベル賞の湯川秀樹先生に師事していたようですが、湯川先生は「よく観察すれば全体は部分に分解できる」というような考えを持っておられたようです。もし分解できないのであれば、それは観察する力、考察する力が十分ではないから真実を見抜けないと解されるわけです。しかし、この考えが、社会科学にそのままあてはまるのか、というと少し疑問があります。社会科学の特徴としては、社会の中の人間が人間を対象としている、つまり、主体と客体との関係を切り離すことができない、そのため客観性が担保されない、という自己言及の問題に衝突するからです。しかも、人間という個人は一定の個体(要素)ではないということは決定的に異なることであり、研究を複雑にしています。原子記号のようなもので、集団や組織、社会を規定できない、ということです。そのように考えると、社会科学は自分の好きなように書けば良い、自由だということになるかもしれないですけれど、じゃぁ、好き放題書いた研究結果を第三者が読んでくれるのか、それを納得していただけるのか、と考えると、「?」ということになります。そうなると、研究成果のわかりやすい自然科学の研究方法を応用してみましょう、とうことに戻っていきます。ただ、ここでもう1発、自分に納得できないところがあるのです。それと、これもよく言われることですが、社会(組織)現象を定式化、一般化することに注力すれば、リアリティから離れていく、抽象的な議論になっていく、と考えられるのです。そこで、違う方法はないかなと指導教員などからヒントをいただくなどして、今関心を寄せている研究方法として「エスノメソドロジー」を採用しようかと検討しているところです。次回、このことを勉強して報告したいと思います。
今日は、ここまで。