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    進化を考える

    こんばんは、店主の息子です。

    前々回、「進化」という言葉に触れました。尊敬する、故 今西錦司先生が、生き物は変わるべくして変わったとおっしゃられていました。哺乳類の仲間で、空に飛び立ったコウモリ、海に帰ったクジラ、彼らを進化と言えるのか。退化したのではないか。こうした問いに関して、それは、人間の物差しで見ているだけ、それぞれの生き物や個体の主観によるものだとの指摘でした。そのほか、オーストラリアは、大昔に大陸が孤立しましたが、他の大陸と同じように、肉食・草食動物、植物の生態系が形成されました。動物では、有袋類といった大陸固有の生き物が誕生しましたが、他の大陸と同じような系です。このことから、系もなるべくして形成されたとの見方もできます。人間社会では、自分たちができないことができるようになったことを進化、反対に、できなくなったことを退化、そんな見方があふれています。そうした考え方が主観的だと言えます。偏った考えにならず、多様なものの見方ができれば、心は豊かになるのだと思います。 

    今日はここまで。